Amazonから全ての本を引き上げて過去最高収益を得る出版社とは?
Amazonで2000タイトルもの本を販売していた出版社のEducational Development Corporation(EDC)は経営が傾き続けていたことから、なんと「全ての出版物をAmazonから引き上げる」という決断を下しました。一見無謀に見えるこの決断にどのような効果があったのか?ということをEDCのランドール・ホワイトCEOが語っています。
EDCは「明日に向って撃て!」など多くの出版物をAmazonで販売していましたが、継続する業績悪化を打開するため、2012年にCEOのランドール・ホワイト氏は全ての出版物をAmazonから引き上げて、全てを自社販売する方針に切り替えました。
さらに、AmazonへEDCの出版物を再販する卸売業者たちとの取引を中止し、コストコやTargetといったスーパーへの納品もストップ。
ホワイト氏は「断腸の思いで実施した決断ですが、大半の人々が私のことを正気ではないと考えました」と話します。
一見すると危険な決断のように思えますが、EDCの2014年度の第1四半期の収益は前年比で20%増、7月の月間収益は28%増となっており、2014年は過去最高の収益をたたき出しているとのこと。— 中略 —
Amazonは「ガゼル・プロジェクト」と呼ばれる出版社に対する電子書籍化交渉作戦を行っており、CEOであるジェフ・ベゾス氏は交渉チームに対してEDCのような規模の小さな出版社から狙い撃ちにするよう指示したことが知られています。
要求に応じない出版社の出版物はAmazonで目立たなく表示するなど、圧力をかけて電子書籍化を迫る作戦で、フランスの出版社アシェットに圧力をかけたことが原因で、スティーヴン・キングを含む900人の作家がニューヨークタイムズに批判文を掲載するなどの騒動が起こっています。ホワイト氏は同業者へのアドバイスとして、「自分のビジネスの商品を誰かに手渡す前に、注意深く考えて下さい。Amazonはあなたの友達ではありません」と警告しています。
顧客の利益、サービスを最大限重視するあまりに商品供給元に大して過酷な条件を与えるのがアマゾンの特徴。
全世界でこういうことを行っているため、少しずつ敵が増えている。
そして似たような当日配送サービスも増えてきた。
自社コンテンツが少ないアマゾン(Kindleなどの電子書籍のみ)
コンテンツ供給側が結託して反旗を翻す未来もあるような気がしてきた。