任天堂、苦境を招いた複雑な社内事情 岩田社長、抜本対策を示せず“動じない”理由
ーム機の需要は縮小しているとの指摘に対しては「ゲーム機はスマホやタブレットなどのスマート端末に取って代わられているとの論調がある。
だが『ニンテンドー3DS』の国内販売台数は好調だ。スマート端末が普及しても、世の中の変化に合わせて提案をすればゲーム機はなくならない。
ゲーム機ビジネスの未来は暗くない」と回答。
さらに「抜本的なテコ入れ策を考えている。それを今月末の経営方針説明会で発表する」と語り、株式市場関係者の注意を引いた。それから約2週間後の1月30日、東京都内で開催された経営方針説明会。岩田氏は「ハードとソフト一体型のゲーム機ビジネスは今後も経営の中核」と述べると共に、「スマホに任天堂のソフトを供給する考えはない」と断言。
現状の経営路線継続に揺るぎない自信を示した。
そして、注目の「抜本的なテコ入れ策」として「ゲーム機を活用した健康ビジネスへの参入」(15年度開始予定)と「マリオ(スーパーマリオ)など自作ゲームキャラクターを活用した版権ビジネス拡大」の2つを発表した。
その説明が始まった途端、会場内の一部からは失笑が洩れた。
抜本的テコ入れ策とは程遠い内容だと受け止められたためだ。
この内容が伝わった同日午後の株式市場では、同社株に失望売りが殺到。
同社の株価は一時、前日比570円安の1万2310円まで下落した。
それでも「ゲーム機ビジネスは、新作ソフトを1本ヒットさせれば苦境を打開できる」と岩田社長の余裕は変わらず、「なぜこれほどの余裕を持てるのか」と様々な臆測が飛び交う結果を招いているのだ。
ブレない。
それが任天堂の強みでもある。
日本でしかほとんど流通しないスマホゲームに力を入れるより海外をターゲットにしたキャラクタービジネス展開の方が未来性はあるだろう。
私個人、安易なスマホ展開をしない姿勢をとても応援したい。
ゼルダ無双の売上を見るに、まだまだ任天堂の底力はある。
任天堂が問題なのではなく、日本ゲーム市場の縮小っぷりが手に負えないレベルなのだと思う。
生き残っていくメーカーは海外向けゲームに力をガンガン入れていくだろう。
日本のコンシューマー市場はそろそろ終焉を迎える気がしてならない今日この頃。